“The Treniers” は，双子の兄弟 "Cliff Trenier”（1919年 – 1983年）と “Claude Trenier”（1919年 – 2003年）が率いるR＆B / ジャンプ・ブルースのバンド・グループ．彼らは，アラバマ州モビールで生まれ，1939年の大学時代にアラバマ州立大学で結成されました．1943年，“Claude Trenier” は，”Jimmie Lunceford” のバンドにリードシンガーとして参加，"Cliff Trenier” は 翌年にバンドに加わりました．

1947年，彼らは ”Jimmie Lunceford” のバンドを去り，ピアノの ”Gene Gilbeaux” とアルトサックスの ”Don Hill” を含む ”Gene Gilbeaux Quartet” にバックアップを受け，”The Trenier Twins” として一緒に演奏を始めました．1947年，”The Trenier Twins” は，”Mercury Records” でレコーディングを行い，ライブパフォーマンスで高い評価を得ました．1949年，兄の “Buddy Trenier”（1913年 – 1999年）が加わり，”The Rockin' Rollin' Treniers” として宣伝され始めました．

“The Treniers” は，スウィングと初期のロックンロールの中間の形式の音楽を演奏しました．彼らのサウンドは，スウィングの影響をより受けていますが，素晴らしいバックビートと，"rock" と "roll" という言葉を含むいくつかの曲を取り入れました．そして1940年代には，1930年代の ”Jimmie Lunceford” の “It Rocks! It Rolls! It Swings!" に触発された "Rockin' Is Our Bizness" をすでに演奏していました．彼らの曲の多くがユーモラスな内容で知られており，ステージ上のアクロバットは，後の多くのロックンロール・グループ の ワイルドな パフォーマンスの 前兆と見なされていました．“The Treniers” は，1951年に リリースした ”Go! Go! Go!” （Okeh 6804）がR＆Bチャートで10位を記録，この曲が彼らの唯一のヒットでした．

ロックンロールが米国テレビに最初に登場したのは，1954年5月，“Dean Martin” と “Jerry Lewis” が主演した ”The Colgate Comedy Hour” に “The Treniers” が出演したときでした．“Dean Martin” と “Jerry Lewis” は，曲の演奏中にコミカルな悪ふざけに参加し，またドラマーが立ち上がって脇に寄ると，“Jerry Lewis” が座ってドラムスを演奏しました． “The Treniers” は，1950年代に “The Girl Can't Help It”，”Don't Knock The Rock” などの いくつかの映画に出演しました．

参考："The Treniers - Wikipedia" を要約しました。

Link > https://en.wikipedia.org/wiki/The_Treniers
Link > https://en.wikipedia.org/wiki/Jimmie_Lunceford
Link > https://en.wikipedia.org/wiki/The_Colgate_Comedy_Hour
Link > https://en.wikipedia.org/wiki/The_Girl_Can%27t_Help_It
Link > https://en.wikipedia.org/wiki/Don%27t_Knock_the_Rock

米国と国内で収集した “The Treniers” のオリジナルLPレコード．”Epic LG 3125 - Go! Go! Go! The Treniers On TV”（DJコピー盤）， ”Hermitage - After Hours With The Fabulous Treniers”， "The Treniers Wild & Live At The Flamingo” の３枚が米国のオークション， ”Dot DLP-3257 - The Treniers Souvenir Album" は 国内のオークション， ”Hermitage HLP-1004 - The Treniers .. By The Sea" は Discogs のマーケットプレイスで米国から購入しました．いずれも 目立った劣化や損傷は なく，良好なコンディション．”Dot DLP-3257” の表面カバーは，メンバーがサインをしたように見えますが，実際は印刷です．”After Hours With The Fabulous Treniers” の裏面カバーには，メンバーの自筆サイン（左上から：Skip Trenier，Clippy Cole，Don Hill，Cliff Trenier，Buddy Trenier，Frank Shea ，Claude Trenier，Gene Gilbeaux）があり，こちらのほうは なかなか貴重です．アルバム の カバー写真 の パーソネル は，Webコンテンツを参考にしましたが，双子の兄弟 "Cliff Trenier” と “Claude Trenier” は 判別が難しく，そこで Wikipedia やウェブサイトなどの写真から 2人の立ち位置を参考にして，正面左を "Cliff Trenier”，正面右を “Claude Trenier” としました．

さて，”The Treniers” の音源ですが，”Epic LG 3125“ は，1951年から1955年にかけて ニューヨークの ”Okeh Records” からリリースされたシングルを ”Epic Records” が LP化したものです．”Dot DLP-3257” は，”Dot Records” からリリースされたメモリアル・アルバムで11曲が収録，”Milt Trenier” の ”Gonna Catch Me A Rat” など4曲がシングル化されています．”Hermitage Records” の ”After Hours With The Fabulous Treniers” と レーベル無しの "The Treniers Wild & Live At The Flamingo" は，ライブ録音．”Hermitage HLP-1004” は，6曲がライブ録音，5曲がスタジオ録音です．”Hermitage Records” の2枚のアルバムは，ナッシュビルのラジオ局WLACの名ディスク・ジョッキー “Bill ‘Hoss’ Allen” がプロデュースしています．

Link > https://en.wikipedia.org/wiki/Okeh_Records
Link > https://en.wikipedia.org/wiki/Epic_Records
Link > https://en.wikipedia.org/wiki/Bill_%22Hoss%22_Allen
Link > https://www.rocky-52.net/chanteurst/treniers.htm

“The Treniers” のライブ映像は，YouTube で数多く視聴できます．Wikipedia では，「スウィング と 初期のロックンロールの 中間 の 形式 の 音楽を演奏」と評されていて，1940年代 から 音楽活動を始めていた彼らは，ロックンロール の 到来とともに，その音楽スタイルが時代にマッチしたのでしょう．“The Treniers” のワイルドでコミカルなパフォーマンスは，ベテラン ならではの上手さと安定感があり，彼らから 影響を受けた ミュージシャンは 多かったと思います．影響を受けたかは 分かりませんが，私は 何故か “The Flamingos” の ”Jump Children" （ライブ映像，1959年） を思い出してしまうのですが ...

“The Treniers” は，"Cliff Trenier” と “Claude Trenier” の兄弟の他に，グループメンバーには アルトサックスの “Don Hill”，ベースの ”Shifty Henry”，後に ”James Johnson”，ドラムの “Henry Green”，ピアノの “Gene Gilbeaux” が含まれていました．その後、兄弟の ”Milt Trenier”，“Buddy Trenier”，そして甥の “Skip Trenier” がボーカルでグループに加わり，ギターの “Herman Washington”，”Mickey Baker” など，他の多くのミュージシャンやラインナップの変更が行われ，2003年まで音楽活動を継続したようです．注目は，アルトサックス奏者の ”Don Hill”，曲の間奏では なかなかいい演奏やパフォーマンスを見せてくれました．彼は，2021年6月に 99歳で亡くなりました．R.I.P.

Link > https://www.reviewjournal.com/entertainment/don-hill-the-treniers-dies