R&Bシンガー "Wilbert Harrison" は,1929年 ノースカロライナ州シャーロット 生まれ,1950年 に軍を除隊し,フロリダ州マイアミに移住,カリプソをベースにした音楽スタイルで演奏を始めました.音楽プロデューサー ”Fred Mendelsohn” に見いだされた "Wilbert Harrison" は,ニュージャージー州ニューアークに移り,1954年から1956年にかけて ”Savoy Records” でレコーディング,ニューヨークのトップクラスのミュージシャン ”Leroy Kirkland”(アレンジャー),”Buddy Lucas”(サックス),”Mickey Baker”(ギタリスト)等とセッションを果たしますが,ヒットには至りませんでした. "Wilbert Harrison" は,1959年に "Bobby Robinson" の "Fury Records" から "Kansas City"(Fury 1023)をリリース,1959年4月にR&Bチャート1位,Popチャート1位の大ヒットを記録."Kansas City" は,1952年に "Jerry Leiber" と "Mike Stoller" が書いたR&Bソングで,R&Bシンガー "Little Willie Littlefield" が "K. C. Loving"(Federal 12110)というタイトルでリリースしたのが最初でした."Kansas City" のヒットの最中,"Bobby Robinson" は,"Savoy Records" から "Wilbert Harrison" の1959年8月までの契約について訴えられ,1959年9月まで "Wilbert Harrison" の音楽活動をフォローアップできませんでした. "Wilbert Harrison" は,"Kansas City" のヒット以降,レコーディングとツアーに参加,1969年にリリースした ”Let's Work Together”(Sue 11)がPopチャート32位を記録してカムバック.この曲は,1962年に 自身が書いた "Let's Stick Together"(Fury 1059,Fury 1063)がオリジナルでした."Wilbert Harrison" は,1980年代まで音楽活動を続けましたが,成功することはなく,音楽ビジネスから身を引いた後,1994年に脳卒中のためにノースカロライナ州スペンサーで死亡,享年65歳でした. Link > https://en.wikipedia.org/wiki/Wilbert_Harrison Link > https://en.wikipedia.org/wiki/Fred_Mendelsohn Link > https://en.wikipedia.org/wiki/Leroy_Kirkland Link > https://en.wikipedia.org/wiki/Buddy_Lucas_(musician) Link > https://en.wikipedia.org/wiki/Mickey_Baker Link > https://en.wikipedia.org/wiki/Kansas_City_(Leiber_and_Stoller_song) Link > https://en.wikipedia.org/wiki/Bobby_Robinson_(record_producer) Link > https://en.wikipedia.org/wiki/Savoy_Records Link > http://www.soulfulkindamusic.net/wharrison.htm Link > https://en.wikipedia.org/wiki/Let%27s_Stick_Together_(song)
“Sphere Sound Records” は,ニューヨークに本拠を置く ”Bell Records” の子会社として1965年に設立,当時成長していた "Oldies" 市場へ参入しました."Bell Records" のオーナー "Larry Utall" は,ニューヨークの他のレーベル(Fire / Fury,Herald / Ember)からアルバム制作のための版権を借りていたようです.これらの曲の多くは,最初のアルバムとして登場したため,”Sphere Sound Records” のアルバムは 現在もコレクターズアイテムです. 1965年に "Sphere Sound Records" からリリースされたLPレコード "Kansas City"(SSR-7000)は,ナンバーワンのヒットとなった "Kansas City" を含む "Wilbert Harrison" の “Fury” 音源が12曲収録されたアルバム.”Side 1-5” と “Side 2-1” は,”Fury Records” のカタログにないので,未発表曲と思われ,1965年に ”Sphere Sound” からシングル・リリースされたようです. Link > http://bsnpubs.com/bell/spheresound.html アルバム ”SSR-7000 Kansas City” は,シンガーとして最も充実した ”Fury” 期のベスト音源集,その独特なボーカルとメロディーが特徴,個人的には マンドリンの演奏が印象的な ”Why Did You Leave“,バックコーラスが入る “Since I Fell For You” あたりがお気に入りです.”Fury” 以前の曲では,”Chart Records” から リリースされたカリプソ・スタイルの “Cool Water / Calypso Man”(Chart 626) が軽快でリズミカルな佳作,”Savoy Records” からリリースされた ”Mickey Baker” のギター演奏が入るブルージーな ”The Way I Feel”(Savoy 1198)もなかなか良い曲です."Wilbert Harrison” は,一発屋との評価が一般的ですが,飾り気のない個性あふれるシンガー,R&Bファンにとっては忘れられないひとりですね.
ジャケットは,パンチホールがありますが,それ以外は 良好なコンディション.ラベルには,スピンドルの跡はなく,レコード盤は,ほぼ新品状態です.オークションでコンディションの良い物が見つからなかったので, "Discogs" でニューヨークのレコードショプから購入しました. Link > https://www.discogs.com/ja/
"Sphere Sound Records" のラベルは,赤オレンジに黒の文字,ラベルトップ1/3が白ラベルに青の "Sphere Sound" の文字.