"Johnny Otis" は，1921年12月 カリフォルニア州ヴァレーホで ギリシャ移民の両親から生まれました．ブラック・コミュニティで青年期を過ごした "Johnny Otis" は，黒人音楽に傾倒，1950年代に ミュージシャン，作曲家，アレンジャー，バンドリーダー，タレントスカウト，ディスクジョッキー，レコードプロデューサー，テレビ番組のホストとして，R&Bとロックンロールに大きな影響を与えました．また "Johnny Otis" は，若くて有能な多くのアーティストを発掘，その代表格が "Little Esther Phillips"，"Etta James"，"Big Mama Thornton"， "Johnny Ace"， "Jackie Wilson"，"Little Willie John"，"Hank Ballard"，"The Robins" でした．シンガーとして最も成功したのは，1958年に自身が書いた "BO Didlley" ビートのシングル "Willie and The Hand Jive" （Capitol F3966） で R＆Bチャート 1位，Popチャート 9位 のヒットを記録しています．1960年以降も音楽活動を継続，1994年には ロックンロールとブルースの殿堂入りを果たしましたが，2012年に90歳で亡くなっています．

Link > https://en.wikipedia.org/wiki/Johnny_Otis
Link > https://en.wikipedia.org/wiki/Esther_Phillips
Link > https://en.wikipedia.org/wiki/Etta_James
Link > https://en.wikipedia.org/wiki/Big_Mama_Thornton
Link > https://en.wikipedia.org/wiki/Johnny_Ace
Link > https://en.wikipedia.org/wiki/Jackie_Wilson
Link > https://en.wikipedia.org/wiki/Little_Willie_John
Link > https://en.wikipedia.org/wiki/Hank_Ballard
Link > https://en.wikipedia.org/wiki/The_Robins
Link > https://en.wikipedia.org/wiki/Willie_and_the_Hand_Jive

1958年2月にリリースされたLPレコード "Capitol T940 - The Johnny Otis Show" は，ロスアンジェルスの劇場 "Orpheum Theatre" のライブ演奏をモチーフに，"Johnny Otis"，"Mel Williams"，"Marie Adams and The Three Tons Of Joy"，"Jeannie Sterling and The Moonbeams" が共演した名盤アルバム．このアルバムは，1957年8月に "Johnny Otis" が 初めて "Capitol Records" で行ったセッションで収録，"Orpheum Theatre" のライブを再現したスタジオ・レコーディングです．このため "Marie Adams and The Three Tons Of Joy" の "Ma (He's Makin' Eyes At Me)" は，観客の歓声がオーバーダビングされています．"Johnny Otis Orchestra" のメンバーは，"Johnny Otis"（ボーカル / ビブラフォン），"Don Johnson"，"Paul Lopez"（トランペット）, "George Washington"（トロンボーン），"Jackie Kelso"，"Fred Harmon"（サックス），"Jimmy Nolen"（ギター），"Curtis Counce"（ベース），"Ernie Freeman"（ピアノ），"Earl Palmer"（ドラムス）．

＜アーティストの略歴＞

"Johnny Otis" の1950年代の代表アルバムが "Capitol T940 - The Johnny Otis Show"，もう1枚が1957年に "Dig Records" からリリースされた "Dig LP-104 - Johnny Otis Rock and Roll Hit Parade Volume One" ．1979年に英国からリリースされたLPレコード "Fly-550 - Johnny Otis Rock and Roll Hit Parade Volume One" は，"Dig LP-104" のリイシュー盤，ジャケットは 表裏ともにオリジナル盤と同じデザインです． "Honey Love"， "Sh-Boom"， "Gee"， "Sincerely" などの R&B / R&R のヒットナンバー12曲が収録された このアルバムは， "Johnny Otis" が結成したボーカルグループ "The Jayos" の音源，リードボーカルは "Johnny Otis"， "Arthur Lee Maye"，"Mel Williams" が務めています．"Dig LP-104" は，当初 ロックンロールのスタンダード曲をシリーズ化する目的のアルバムでしたが，1枚だけのリリースで終わっています．ちなみに "Dig LP-104" は，コレクターズアイテムの高価な代物ですが，オークションで見かけるものは そのほとんどが模造品と思われ，コレクターは要注意．

Link > http://bsnpubs.com/la/dig/dig.html
Link > http://www.uncamarvy.com/ArthurLeeMaye/arthurleemaye.html

"King Of Rock & Roll"，"Godfather Of Rhythm & Blue" と称された "Johnny Otis"，その影響力の大きさや功績については 音楽評論家に任せることにして，1950年代の R&B / R&R，そしてDooWop のエッセンスを凝縮したような2枚のアルバム "Capitol T-940"，"Dig LP-104" は 素晴らしいの一言に尽きます．特に "Capitol T-940" は，エンターテインメントという言葉がぴったりくるような楽しいアルバムに仕上がっています．注目は，女性ボーカル "Jeannie Sterling"，ちょっとハスキーで のびのある声質は とても魅力的で 好感が持てますね．

ジャケットは，表裏ともに微小なリングウェア，上下のコーナーに1cm位の割れがありますが，60年以上を経過したコンディションとしては 良好．レコード盤は，あまり聴かれたようすもなく，気になるノイズや針飛びは ありません．

ジャケットの裏面にあるアーティストの写真は，上から "Johnny Otis"，"Marie Adams and The Three Tons Of Joy"，"Jeannie Sterling and The Moonbeams"，"Mel Williams"．

光沢のないブルー・グレーのラベルに白の文字，"Capitol" の文字に議事堂のイラストが描かれたロゴ．1950年代後期になると，マルチカラーのラベルに変更されます．