1960年にニューヨークの "Jubilee Records" からリリースされたLPレコード "Boppin’!"（JGM-1118）は，イーストコーストのR&B/DooWopボーカルグループの作品が12曲収録されたオムニバスアルバム，登場する6組のグループのうち "The Orioles"，"The Brown Dots" 以外は 無名に近いグループです．同じ "Battle Of The Groups" シリーズのアルバム "Rumble"（JGM-1114）と比べると，DooWopファンの間では 評価が分かれると思いますが，個人的には アンダーグラウンドでマニアックなニューヨーク系ボーカルグループの作品集として気に入っています．

編集の際に取り違えたのだと思いますが，ジャケットとラベルに記載されている "Side 1-6"，"Side 2-6" のグループ名 "The Marylanders" は "The Teardrops" の誤りで，曲名も違っています．"Side 1-4"，"Side 2-5" の "Deke Watson" は，"Deek Watson" が正しいスペルです．

・Side 1-6． Good Old 999 - The Marylanders 　⇒　 My Heart - The Teardrops
・Side 2-6． Fried Chicken - The Marylanders 　⇒　 Ooh Baby - The Teardrops
・Side 1-4 / Side 2-5．　Deke Watson and The Brown Dots　⇒　Deek Watson and The Brown Dots

"The Orioles" は，1951年から1952年にかけてリリースされたバラードが2曲収録されています．"The Brown Dots" は，1940年代に結成されたベテラングループ，"Side 1-4"，"Side 2-5" のクレジットが "Deke Watson and The Brown Dots" になっていますが，収録曲は 1954年にリリースされた "Deek Watson" のソロ作品． "The Toppers"は，"The Hurricanes"（King Records）の前身グループ，"Side 1-1"，"Side 2-3" は 1954年にリリースされたデビューシングルです．

1956年に "Jubilee Records" 傘下の "Josie Records" からリリースされた "The Emanons" の "Blue Moon" （Side 1-5）は，ポピュラーソングのスローバラードをアップテンポのDooWopナンバーにアレンジした作品，1961年に "Colpix Records" からリリースされた "The Marcels" のヒット曲 "Blue Moon" は，この曲のアレンジをヒントにしているように思われます．

異色は，"Side 2-1" の "The Coney Island Kids" の "Moonlight Beach"，"Elvis Presley" に最も多くの作品を提供した ソングライター "Ben Weisman" の1955年の作品，ハーモニカとギターの演奏に波の音をダビングさせた感傷的なバラードのインストルメンタル．このグループは スタジオ・グループで，"Side 1-3" の "Red Light Green Light" は 男女混成ボーカルのR&Rナンバーです．

Link > http://en.wikipedia.org/wiki/The_Orioles
Link > http://en.wikipedia.org/wiki/Ben_Weisman
Link > http://www.uncamarvy.com/BrownDots/browndots.html
Link > http://www.uncamarvy.com/Hurricanes/hurricanes.html
Link > http://www.uncamarvy.com/Marylanders/marylanders.html

黒のラベルにシルバーの "Oval" ロゴがファーストプレスのオリジナル盤，カラーのロゴはリイシュー盤です． オリジナル盤とリイシュー盤をそれぞれ所有していますが，コンディションは オリジナル盤のほうが良好です．