Website の開設
今から40年以上前の話になりますが,私が高校生の頃,在日米軍向けラジオ放送FEN (Far East Network,現AFN) で "Dick
Clark Rock'n Roll Remember" なる番組をやっていまして,そこから流れた "Little Anthony
And The Imperials" の "Tears On My Pillow" を聴いてえらく感激しました.それ以来,Rhythm
& Blues,DooWopボーカルグループ一筋にLPレコード,CDの収集に励んできました.ここに一念発起して,いままで貯めこんできた12インチのLPレコードの一部ではありますが,稚拙な説明を交え,レトロなジャケットとR&B/DooWopボーカルグループをレビューしていきたいと思います.
レコード盤からCDへ
1975年頃から,お茶の水,神田 周辺のレコードショップをかわきりに,レコード探しに明け暮れていましたが,1990年代に入るとCDが出現し,現在はCDのコレクションのほうが圧倒的に多くなっています.音質は,デジタル音源よりもアナログ音源のほうが高音域で優れているといわれていますが,私のようなアナログ再生機器がお粗末なリスナーにとっては,デジタル音源のほうがノイズもなく快適です.
生き延びたレコード盤
CDの出現で絶滅すると思われたレコード盤でしたが,現在も中古レコードショップやネットオークションでは,レア物と呼ばれるファーストプレスのアナログレコードが高値で取り引きされています.個人的には,レコード盤はそのレトロな雰囲気と印象的なカバーデザインが好きで,現在は観賞用として楽しんでいて,セカンドプレスだろうが復刻盤だろうがこだわらず,オリジナル盤と同じジャッケトデザインであれば大切に保存するように努めています.
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Dooto Records
DTL-242-LP - The Cool, Cool Penguins - The Penguins (1960年代)
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ボーカルグループ物で最初に購入した輸入盤LPレコードは,学生時代にお茶の水のレコードショップで購入した "The Cool, Cool
Penguins" のリイシュー盤でした.とにかく格好いいクールなジャケットで,内容もバラードからアップテンポまで "The
Penguins" 全盛期のDooWopナンバーが収録されたアルバムです.シュリンクラップがまだ残っています.
DooWopの浸透
ボーカルグループのレコードを探し始めた1975年頃は,日本ではDooWopという音楽ジャンルはまだ浸透しておらず,"Rhythm &
Blues" の "Vocal Group" というのが一般的だったと思います.DooWopの呼び名は,1970年頃,ニューヨーク市のラジオ局
"WPIX FM-102" のDJ,"Gus Gossert" が名付け親といわれています(山下達郎氏のウェブサイト
「The Doo Wop Street Corner」より).日本でDooWopという音楽ジャンルが知られるようになったのは,1970年代後半に鈴木雅之氏が率いるシャネルズが出現し,DooWopの大ブームを巻き起こしてからだと思います.
シャネルズと新宿ルイード
新宿のライブハウスでDooWopをやっているグループがいるとの話を聞き,話半分で早速でかけたのですが,顔を黒塗りにしたシャネルズというグループが本当にDooWopをやっていました.アマチュアとは思えないエンターテイメントなステージで,"The
Coasters","The Cadillacs" のノベルティなスタイルと,"The Chords","The
Dubs" のDooWopハーモニーで聴かせるスタイルとを織り交ぜながら,見ているものを飽きさせない楽しいステージを展開していました.カウンター席でたまたま隣にシャネルズのリーダー・鈴木雅之氏のお父さんが座られ,お話をしたことがあり,「姉の影響で弟がR&Bを始めた」と話されていたことを今でも印象深く覚えています.
鈴木雅之氏が率いるシャネルズは,1977年,当時最高峰であったアマチュアのバンドコンテスト "EastWest" に出場し,決勝大会まで進出して入賞を果たしました.この頃,シャネルズはライブハウス・新宿ルイードを本拠地として,週末の夜にライブ活動をやっていました.その後,プロとして1980年1月に発売となったランナウェイ(作詞:湯川れい子,作曲・編曲:井上忠夫)が大ヒットし,メジャーの仲間入りをしたのは皆さんご存知の通りです.
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EPIC/SONY Inc.
27-3H-20 - Mr. Black - The Chanels (1980年)
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日本の記念すべきDooWopアルバム第1号 "Mr. Black",発売と同時に買いました.ジャケット左側の黒い犬を連れている皮ジャンの人物が鈴木雅之氏のお父さんです.
新宿ルイードは,1972年に小澤音楽事務所社長である故・小澤惇氏が作ったライブハウスで,1987年1月に閉店したそうです.新宿ルイードのあった場所は,JR新宿駅東口から徒歩3分位のカワノビル(新宿区新宿3丁目)
の4Fでした.今は飲食店になっているようです.
当時お世話になったレコードショップ
■芽瑠璃堂 吉祥寺店
今から30年位前に吉祥寺にあった輸入盤レコードショップ.毎週のように通いました.権藤陽一郎氏の同人誌 "Treasure Chest
of Musty Dusties" は 芽瑠璃堂さんで購入,DooWop情報満載の同誌は Vol.2からVol.7まで集めたのですが,引越しを繰り返すうちに現存するのは
写真の1冊だけになりました.残念!
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権藤陽一郎氏の同人誌.桜井ユタカ氏も投稿されていました.イラストは湯村輝彦氏.
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■サムズレコードショップ 渋谷店
CDへの移行時代でしたがLPレコードも豊富にあり,渋谷店ができるまでは,大阪の堺市本店の通信販売でお世話になりました.
■ディスクユニオン お茶の水店
学生時代に大変お世話になったディスクユニオンは,"Relic Records" や "Collectables
Records" のLPレコードの品揃えが充実していました.ディスクユニオンのロゴが入った赤と黒のレコード袋が懐かしい!
■Wave 六本木店
セゾングループの当時有名なお店でした.六本木店はビルが丸ごと文化の発信源で,CD,LPレコード,ビデオの宝庫でしたが,六本木地区の再開発で1999年のクリスマスに閉店,ちなみに規模は小さいですが池袋にもありました.
"Doo Wop 50"から早や13年・・・
1999年5月11日と12日の2日間,"The Cadillacs","The Moonglows","The
Spaniels","The Penguins","The Harptones","The
Cleftones" といったDooWop黄金時代の偉大なるボーカルグループが PBSテレビの特別番組に出演するために,ペンシルベニア州ピッツバーグにあるコンサートホール
"The Benedum Center for the Performing Arts" に大集結し,往年の名曲を熱唱しました.この歴史的なライブ
"DooWop50" から早や13年が経ってしまいました.
出演されたオリジナルメンバーの大御所が去る・・・
2007年1月 "James 'Pookie' Hudson" - The Spaniels,DooWop50
2010年7月 "Harvey Fuqua" - The Moonglows,DooWop50
2011年6月 "Carl Gardner" - The Coasters,DooWop51
現在は,"DooWop50" のDVD,その続編の "DooWop51" のVHSが入手可能です.歴史の証人達の最後の勇壮は,DooWopファンにとっては
大変貴重なビデオ映像です.
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左から
・RHINO HOME VIDEO R3 972803A DOO WOP 5O Volume One
・RHINO HOME VIDEO R3 972803B DOO WOP 5O Volume Two
・RHINO HOME VIDEO R3 970006 More DOO WOP 50
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このウェブサイトは,所有するアナログ レコード を整理し,収集の記録を残すことを目的とした私個人用の資料サイトとして,2012年3月から作成を始めました."One
Key Studio" の名称は,"The Five Keys" がとても好きなDooWopオタクが四畳半の部屋をスタジオ代わりにして一人黙々とレコードジャケットのデジタル写真を撮っているところからつけました.掲載した写真は,全て自己所有のコレクションを撮影しています.最近は,"Various
Artists" のアルバムを "Compilation Album" というようですが,昔ながらのオムニバスアルバムと表記しています.
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